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中村 秀彦
新築で買った家も年月が経つにつれて、だんだん汚れが目立つようになります。建物の劣化はどうすることもできませんが、やっぱりいつまでもキレイな外観を保ちたいものですよね。
外壁をキレイに保つためには、湿気やカビ、紫外線などを効果的に遮断することが重要になります。皆さんはそうした外的環境に負けない効果の高い塗料を選べているのでしょうか?
今回は外壁・屋根塗装を行うことの効果、塗料が持つ「保護・美観・機能」の3つの役割、塗膜が建物を守るメカニズム、塗装しないと起きる劣化まで詳しく解説します。

| 質問 | 外壁塗装の塗料にもっとも期待する機能(効果)は? |
|---|---|
| 回答割合 | 水・湿気に強い塗料:48人 カビ・コケに強い塗料:26人 暑さに強い塗料:17人 紫外線に強い塗料:9人 |
| 有効回答数 | 調査地域:全国100サンプル 調査対象:年齢不問・男女 |
| 結果と考察 | 日本は特に梅雨時期に雨が多いので、水の影響を気にする人が多かったようです。湿気が多いと腐ったり、カビが生えたり、挙げ句の果てには劣化した箇所から雨漏り、水漏れがする……なんてことにもなりかねません。そんな不安が塗料によって解消されるのであれば、それに越したことはないですよね。雨風による見た目の悪化も見逃せないポイントでしょう。 2番目に多かったのが「カビ・コケに強い塗料」で26%でした。カビやコケはなんといっても見た目を悪くさせます。取り除くにも大変な労力が必要であり、手間を省くためや見た目を維持するためにも、カビやコケに強い塗料は魅力的なようです。 また、少数派ながら暑さに強い塗料も一定の票を集めました。暑さに強いことでエアコンの使用量が減り、結果としてエコで節約にもなりますし、紫外線に強ければ外壁が長持ちしますよね。 |
◆日本は湿気が多い国だし、雨や雪も多いので水や湿気に強い塗料がいいです(30代/女性/専業主婦)
◆雨漏りがすると困るし、カビやシミの原因になるので水や湿気には強い方がいいです(30代/女性/専業主婦)
◆外壁塗装の塗料にもっとも期待する効果は水や湿気への強さです。水や湿気に弱いと外壁へのダメージが大きくなってしまうと思うからです(30代/男性/会社員)
◆雨風に強いのがいいです。腐ったりしたら見た目も悪くなってみっともないと思います(40代/女性/専業主婦)
◆近所にうちより後に建ったにもかかわらず外壁がコケだらけの家が何軒かあり、新築なのに古く見えます(30代/女性/自由業・フリーランス)
◆雨風にさらされるので、汚れやカビはどうしても目立ってきます。実家も塗り替えました。できるなら塗り替えをしなくてもよい外壁にしたいですね(30代/女性/その他専門職)
◆エアコンなど空調機器の電力消費を抑制するための一つの方法として考えられるのは日差しによる熱の遮断だと考えています(30代/男性/自営業(個人事業主)
◆日本では年々夏の気温が上がっているので、暑さ対策ができる塗料が望ましいです(20代/男性/パートアルバイト)
◆紫外線は毎日じわりじわりと外壁を傷めていると思うので、紫外線に強い塗料に期待します(50代/男性/会社員)

「家の外壁って、なぜ定期的に塗り直す必要があるの?」「塗装って美観のためだけじゃないの?」とお考えの方は多いと思います。
実は、外壁・屋根塗装には美観だけでなく、建物の寿命を延ばす重要な役割があります。
このページの結論を先にお伝えします。
・塗装の3つの役割:「建物を守る(保護機能)」「家の美観を保つ(美観機能)」「特別な機能を加える(機能付加)」
・塗装をしないと建物寿命は半分以下になることも
・塗膜(塗料の膜)が雨・紫外線・温度変化から建物を守る
・適切な塗装で建物寿命を延ばすことができる
ご存知のように一軒の家を建てる際にはいろいろな素材が使われています。基礎部分のコンクリートや鉄骨、壁に使われるモルタルなどの建材、屋根にはスレートや瓦など。
そのほか金属やタイルなど、好みやデザインに合わせて特殊なものを取り入れることもあります。それらすべての素材の機能を最大限にいかし、寿命を延ばすために欠かせないのが塗装です。
このページでは、塗装が建物を守るメカニズム、塗料の成分の役割、塗装しないとどうなるか、機能性塗料の付加価値まで、塗装の本質的な役割をお伝えします。
外壁・屋根は、毎日雨・風・紫外線・温度変化・排気ガスにさらされています。外壁塗装は「家の長寿命化のための必須メンテナンス」です。
塗装による保護がなくなると、建物には以下のような変化が起きます。
・塗膜の色褪せ、チョーキング(手で触ると白い粉が付く)
・カビ、コケ、藻の発生
・撥水性の低下
塗装後5~10年程で、チョーキング現象やコケ・藻の発生が見られるようになります。これらは、紫外線や雨などの影響により塗膜の機能が低下してきているサインです。
直ちに問題が起こるというわけではありませんが、放置しているとさらなる劣化進行につながりますので、築10年を迎えた建物は塗り替えを検討し始める時期といえます。
塗り替え時期は使用している塗料のグレードによっても異なるため、使用中の塗料の種類と劣化状況を考慮してメンテナンスの必要性を確認しましょう。
・塗膜の剥がれや膨れ
・ひび割れ(クラック)の発生
・シーリングの硬化や劣化
・鉄部のサビ
塗料の耐用年数を迎える頃には塗膜の剥がれや膨れ、ひび割れ、鉄部のサビなどの症状が発生します。塗料の性能が失われている証拠ですので、雨水の浸入が起こる前に早めの対処が必要です。
シーリングにも雨水の浸入を防ぐ役割があり、劣化を放置している雨漏りの原因となります。そのため、塗装工事と合わせてシーリング補修を実施するのが基本です。
・雨漏りの発生
・外壁内部の断熱材が水を含み機能低下
・木部の腐食
・シロアリの侵入
塗り替えの適切な時期を超えると、建物内部に雨水が浸入し、雨漏りや建材の腐食に発展します。雨漏りはシロアリ・カビの発生や建物の耐震性低下などの大きなトラブルの原因となる非常に危険な症状です。
この段階まで進むと塗装工事だけでは対応できず、外壁・屋根の張り替えやカバー工法などの工事が必要になる可能性があります。
・柱や梁の腐食
・耐震性の低下
・大規模修繕・建て替え検討
塗り替えをせずに劣化を放置していた場合、雨漏りの発生に加えて、建物を支える柱や土台が腐食することによる耐震性の低下を引き起こします。
定期的に塗り替えを実施していれば部分的な補修やカバー工法で済むところですが、メンテナンスを怠っていると建物自体も脆くなり、建材の張り替えや土台の補強工事などの大掛かりな工事が必要となります。
劣化を放置していると修繕費用も高額になってしまいますので、コスト面から見ても適切な時期にメンテナンスしておくことはとても大切です。
→ 関連記事:外壁塗装の塗り替えタイミングと劣化症状
塗装の最も重要な役割は、建物を外部環境から守る保護機能です。
外壁材や屋根材は基本的に水を吸う性質があります。塗膜によって雨水の浸入を防ぐことで、以下のような効果があります。
・外壁材や屋根材の劣化を防ぐ
・雨漏りを予防
・木部の腐食を防止
・カビや苔の発生を抑制
雨水の浸入は建物全体に大きなダメージを及ぼすため、塗膜による保護機能・防水機能は建物の耐久性・耐震性維持のためにも重要なポイントとなります。
建物は常に外気の影響を受けており、紫外線は外壁材を分解し、強度を低下させる原因となります。
塗膜が紫外線を吸収・反射することで、外壁材・屋根材の劣化を遅らせたり、退色(色あせ)を防ぐことが可能です。
都市部や工業地帯では、排気ガスのススや煤煙、酸性雨、工場の化学物質などの影響を受けやすく、これらが外壁材・屋根材の劣化を早めてしまいます。
塗膜がバリアとなって外壁材・屋根材を保護するため、建材の劣化進行を最小限に抑えられる効果があります。
塗膜が表面を保護し、外壁材・屋根材本体への直接的なダメージを防ぐ目的もあります。
例えば、風で飛んでくるゴミや枝などの飛来物、鳥のフン、砂塵、細かい砂利などによる衝撃を塗膜で受け止め、建材が傷ついたり、汚れたりするのを防止します。
塗装は単に建物を守るだけでなく、家の見た目を美しく保つ役割も担います。
塗装を行うことによって、色褪せや汚れが改善され、新築時のような輝きを回復させることが可能です。
また塗装をせずに汚れや劣化が目立つ状態では、暗くて不衛生な印象を与えてしまいますが、綺麗に塗装を施すことで全体的に明るく清潔な印象に生まれ変わります。
塗装で色を変えることでデザインを高められ、建物全体のイメージチェンジもできます。
経年で飽きた配色を変更したり、家族の好みに合わせてカスタマイズすれば、より満足度の高い塗装工事になることでしょう。
美観の良い建物は売却時の評価アップにつながり、資産価値の維持においてプラスの効果を得られます。
さらに賃貸物件の場合、美観の良さは大きなアピールポイントにもなり、入居率アップ・入居者の満足度向上による退去率の低下などのメリットもあります。
→ 関連記事:失敗しない外壁・屋根塗装の色(配色)選び
近年の塗料は、保護・美観に加えて特別な機能を持つものが増えています。これにより、塗装は単なるメンテナンスから「建物の性能向上」の役割も担うようになりました。
主な機能性塗料は次のとおりです。
遮熱塗料は熱を反射して遮断する塗料です。赤外線を跳ね返すため、日光による建物の劣化防止も期待できます。
夏場の室内温度が2~3℃低下すると言われているため、毎年真夏の最高気温が35度を超す現代の日本において、その効果を見逃すことができません。
・太陽光の赤外線を反射し屋根・外壁の温度上昇を抑制
・夏場の室温を2〜3℃低下
・冷房コスト削減
断熱塗料は熱を建物内部に伝わりにくくする塗料になります。遮熱塗料とは違い、冬場は室内の温かさを外に逃がさない「保温効果」もあるため、1年を通して快適な環境を作ることが可能です。
・熱の移動を遮断するセラミックビーズを含む
・夏は涼しく、冬は暖かい室内環境を実現
・結露防止効果も
低汚染塗料は汚れが付着しにくい塗料です。塗膜が水と馴染みやすい性質を持っており、汚れが付着しても塗膜と汚れの間に雨が入り込んで、雨と一緒に汚れも洗い流してくれます。
・親水性で雨水が汚れを洗い流す
・セルフクリーニング機能
・美観を長く保つ
カビや藻の発生を抑制する防カビ・抗菌塗料も存在します。
ネガティブな印象を与える「カビ」については、浴室の外壁や北側の外壁、風通しが悪いところに発生しやすい傾向にあります。
また、気温25度以上で湿度が80%以上の高温多湿の状況は、非常にかびが生えやすいので、住環境がカビの生えやすい場合は防カビ・抗菌機能のある塗料がオススメです。
・カビ、コケ、藻の発生を防ぐ
・北側。湿気の多い場所に最適
弾性塗料とは、その名の通り伸びる機能を持っている塗料で、特にひび割れが起こりやすいモルタル外壁によく使用されています。
建物は、車の振動や強風、地震などによって日頃から動いており、それが原因でひび割れが発生してしまいます。弾性塗料はその動きに合わせて伸び縮みするため、ひび割れが起こりにくくなり、さらにひび割れから雨水が浸入するリスクも減るので、防水性も高まります。
注意点として、モルタル外壁には有効ですが、サイディングには使用しないのが一般的です。サイディングは熱がこもりやすく、その熱によって弾性塗料が膨れてしまう可能性があります。
・塗膜に伸縮性
・ひび割れに追従して建物を守る
・モルタル外壁に最適
特に美観に気を配りたいとお考えの方には、光に反応して汚れを分解する「光触媒塗料」や雨水で落とす「自己洗浄型塗料」が適しています。
家全体を丸洗いすることはできませんが、気になる雨とホコリが混じった筋状の汚れも付着しにくくなる効果があります。もちろん、定期的なメンテナンスは必要になりますが、洗浄機能の有無によって美観の持ちの度合いが大きく異なります。
・紫外線で汚れを分解
・大気浄化効果
・高い耐久性
→ 関連記事:機能性塗料の種類
塗膜は基本的に下塗り・中塗り・上塗りの3層構造になっています。それぞれの役割を理解しておくようにしましょう。
標準的な外壁塗装は、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りで層を作ります。
【上塗り】仕上げ層
↓ 紫外線・雨水を防ぐ最前線
【中塗り】機能層
↓ 塗膜の厚みと耐久性を確保
【下塗り】接着層
↓ 外壁材と上塗り塗料を密着
【外壁材】
下塗りには、外壁材や屋根材と中・上塗り塗料を密着させる接着剤のような役割があります。
さらに、下地の凹凸を平滑に整えたり、下地に中・上塗り塗料が過剰に吸い込まれるのを防ぐ働きもしています。適切な下塗りなくして長持ちする塗装はあり得ません。
中塗りと上塗りは同じ塗料を使い、塗膜の厚みを確保するためにまずは中塗りを行います。
中塗りを省いて下塗り・上塗りの2回塗りを提案された場合は、手抜き工事の可能性も考えられるため、なぜ2回塗りなのかを業者に確認するようにしましょう。
上塗りには、塗膜の厚みの確保の他に、艶を出したり、塗りムラができないように美観を整える最終仕上げとしての役割もあります。
中塗り・上塗りを正しい手順と方法で行うことで、塗料本来の性能を十分に発揮することが可能です。
「塗装すれば防水は完璧」と誤解されがちですが、塗装と防水工事は別物です。
| 塗装の役割 | 防水工事の役割 |
|---|---|
| ・外壁や屋根の表面保護 ・水を弾く(撥水) ・美観の維持 ・機能の付加 |
・バルコニーや屋上など水が溜まる場所の防水 ・水を完全に遮断する膜を形成 ・長期間の水圧に耐える |
屋上やベランダ・バルコニーの場合、床面は防水、立ち上がり・外壁部分は塗装というように工事内容を区別します。
塗装で雨漏りが完全には防げないケースがあるため、防水工事が必要な箇所は別途確認が必要です。
→ 関連記事:防水工事の基礎知識
A. はい、確実に劣化します。塗装メンテナンスなしの建物は、20〜30年で大規模修繕が必要になります。適切なメンテナンスで寿命延伸が可能です。
A. 美観は副次的な効果で、塗装の本来の目的は建物保護です。「美観は気にしない」という方でも、雨漏り・構造体の腐食を防ぐために塗装は必要です。
A. 一般的に築10年前後が目安です。ただし、使用塗料・立地条件で変動します。詳しくは外壁塗装の塗り替えタイミングと劣化症状をご覧ください。
A. 塗装は主に塗膜の撥水機能で雨水の浸入を抑制します。ただし、ひび割れの大きいクラックやシーリングの破断による雨漏りには、別途補修が必要です。
A. メーカーが認定した塗料であれば効果はあります。ただし、過剰な期待は禁物です。例えば、遮熱塗料で室温が2〜3℃低下する効果は実証されていますが、電気代が劇的に下がるということではありません。
A. 塗料のグレードによります。シリコンで10〜15年、フッ素で15〜20年、無機で18〜25年。耐用年数を過ぎると徐々に保護機能が低下するため、適切な周期での塗り替えが大切です。
A. はい、可能です。例えば「ラジカル制御+遮熱機能」の塗料など、複数機能を持つ製品が多数あります。ただし、機能が増えるほど価格も上がる傾向にあります。
A. 適切に施工すれば効果があります。ただし、外壁材自体が劣化している場合は塗装だけでは不十分で、カバー工法や張り替えが必要なケースもあります。
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