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藤吉 崇史
リフォーム瑕疵(かし)保険についてご存知ですか?屋根や外壁の塗装を業者に依頼する際に、欠陥や不備が発生するケースはまれにあり、揉めごとになったり、泣き寝入りしている方も多いかと思います。
そうした時に、リフォーム瑕疵保険を利用することで、トラブルにおけるダメージを最小限に留めることもできます。
今回は、リフォーム瑕疵(かし)保険の仕組み、保険料相場、保証期間、適用ケース、加入業者の選び方、自社保証との違いまで詳しく解説します。

外壁・屋根塗装は数十万〜100万円超の大きな買い物です。もし、工事後に塗膜が剥がれたり、雨漏りが発生した場合や施工した業者が倒産してしまったといった事態が起きたら、お客様は大きな損失を被ります。
こうした万一に備える保険が、リフォーム瑕疵(かし)保険です。
このページの結論を先にお伝えします。
・リフォーム瑕疵保険は業者が加入する任意保険(保険料は施主負担が一般的)
・保険料相場は3〜6万円
・保証期間は外壁塗装1年・雨漏り修理5年(短めなのが弱点)
・業者倒産時もお客様が直接請求可能な大きなメリット
・第三者の建築士検査が入るため、工事品質も担保される
・保険法人に登録できる業者は審査クリア済みで、業者選びの目印にもなる
このページでは、リフォーム瑕疵保険の仕組みから保険料・保証期間・適用ケース・加入業者の選び方まで、お客様が判断できる情報をお伝えします。
瑕疵(かし)とは、契約に対して施工内容が約束通りの品質や性能に満たしていないことを指します。
塗装工事の場合、売主または請負業者は補修を行うことで品質と性能を確保する義務があります。リフォーム瑕疵保険は、瑕疵といういわば「業者の不備」に関しての補償体制なのです。
具体的には、
・工事直後の雨漏り
・塗膜の早期剥離
・塗膜の早期劣化
・塗膜の早期ひび割れ
など、本来あってはならない不具合のことです。
塗装工事の場合、業者は瑕疵を補修する義務があります。
しかし、業者が対応しなかったり、廃業してしまった場合、施主が自力で費用を負担せざるを得ないケースが実際に起きています。リフォーム瑕疵保険は、その業者の補修義務を保険会社が裏付ける制度です。
国土交通大臣が指定した住宅瑕疵担保責任保険法人が提供する、リフォーム工事に欠陥があった場合の補償保険です。
・工事に瑕疵があった場合、保険金で補修費用を補填
・業者が倒産していても保険金が施主に直接支払われる
・第三者の建築士による検査もセット
・国土交通省の認定制度
瑕疵保険を利用する際に支払う保険料は、工事の種類や金額によって異なりますが、3~6万円が相場です。この保険料はお客様が支払うのが一般的です。
業者によっては、保険料を一部負担するという場合もありますが、そういった業者はあまりいないのでしっかり確認しましょう。
また、受け取れる保険金は、事業者(リフォーム業者)へは80%、発注者(消費者)へは100%(事業者倒産等時)が基本です。
ただし、免責金額を下回る施工金額の場合は、保険金を受け取ることができません。免責金額とは、保険金を受け取る際に自己負担する金額のことです。
住宅瑕疵保険(住宅瑕疵担保責任保険):新築住宅専用、加入義務あり
リフォーム瑕疵保険:既存住宅のリフォーム専用、業者の任意加入
外壁・屋根塗装でお家のメンテナンスを行う場合は、リフォーム瑕疵保険が該当します。なお、新築住宅を購入した直後に外壁塗装のリフォームを依頼する場合も、リフォーム瑕疵保険の対象になります。
瑕疵保険は、外壁塗装やリフォームなどの工事を請け負う業者が被保険者となって申し込む保険です。つまり業者が加入する保険となります。
保険対象工事部分に瑕疵が見つかった場合、修補費用または損害賠償金が保険金として事業者に支払われます。
そのため、施主様においては瑕疵保険に加入している業者を選んで契約することで、施工に対する補償の恩恵が受けられます。
また、施工途中などに業者が倒産などして、保険対象工事部分の修補または修補に代わる損害賠償金の支払いができない場合は、依頼者から直接、保険会社へ保険金を請求できます。
【リフォーム瑕疵保険の流れ】
施工業者が保険の加入申込み
↓
保険料を施主から受け取る
↓
工事中・完了時
↓
保険会社側の建築士が検査
↓
保険証券が発行される
↓
工事後に瑕疵発生
↓
保険金で補修(業者倒産時は施主が直接請求)
国内で国土交通大臣の指定を受けてリフォーム瑕疵保険を取り扱っているのは、以下の5つの法人です。
・株式会社日本住宅保証検査機構(JIOリフォームかし保険)
・住宅保証機構株式会社(まもりすまいリフォーム保険)
・株式会社住宅あんしん保証(あんしんリフォーム工事瑕疵保険)
・ハウスプラス住宅保証株式会社(ハウスプラスリフォーム瑕疵保険)
・株式会社ハウスジーメン(リフォームかし保険)
瑕疵保険を利用する際の一般的な流れは以下のとおりです。
STEP 1:保険加入業者と契約
リフォーム瑕疵保険に加入している業者と工事契約を結びます。この時点で保険加入の意思を伝え、保険料の負担割合についても確認しておきましょう。
すべての塗装業者が瑕疵保険に対応しているわけではないので、保険の利用を希望している場合は、事前に対応業者なのかを確認しておく必要があります。
STEP 2:業者が保険法人に申込み
業者がお客様分の保険を申し込みます。
申込みのタイミングは工事開始前が原則です。工事が始まってから申し込んでも受け付けてもらえない場合があるため、契約時に手続き状況を確認しておくと安心です。
STEP 3:第三者建築士による検査
工事中(必要に応じて)と工事完了後に、建築士が品質をチェックします。外壁塗装の場合は工事完了後の検査が中心です。検査項目は各保険法人が定めた基準に従います。
STEP 4:保険証券の発行
検査合格後、保険法人から「保険証券」と「保険付保証明書」が発行されます。
STEP 5:お客様への引き渡し
業者から保険付保証明書がお客様に渡されます。この書類は重要なので保管必須です。紛失した場合は保険法人に再発行の相談ができますが、手続きに時間がかかる場合があります。
STEP 1:業者に連絡
工事後に瑕疵を発見したら、まず施工業者に連絡します。このとき、発生箇所の写真を撮っておくと後の調査がスムーズになります。
STEP 2:業者から保険会社へ通知
業者が保険法人に瑕疵発生を通知します。業者とトラブルに発展した場合は、保険会社へ相談できる場合もあります。
STEP 3:保険会社による審査
業者からされた報告書や書類を基に、保険会社が保険支払の可否を判断します。保険会社側の建築士が現地調査を行い、瑕疵かどうかを判定するケースもあります。
STEP 4:補修工事の実施
業者が補修工事を実施。補修の方法や範囲についても事前に書面で確認しておくと安心です。
STEP 5:保険金の支払い
保険会社から業者に保険金が支払われます。
業者が倒産している場合は、お客様から保険法人に直接連絡します。
・保険金がお客様に直接支払われる
・免責金額(10万円程度)はお客様負担になる場合あり
・補修工事は別の業者に依頼する形に
なお、業者が倒産しているかどうかが不明な場合は、公的機関や保険会社に相談してみましょう。対応方法を案内してくれる場合があります。
業者が倒産・廃業しても、お客様が直接保険金を請求できます。これがリフォーム瑕疵保険の最大のメリットと言えるでしょう。
一般的に、塗装業者を含む住宅リフォーム業界は中小事業者が多く、業者の廃業リスクを完全にゼロにすることは難しいのが実情です。数十万円~100万円規模の工事を依頼する以上、万一の備えとして非常に有効です。
工事完了時に国土交通大臣指定の保険法人から派遣される建築士が品質を検査してくれます。これにより、手抜き工事の抑止力になったり、客観的な品質チェックもできるため、安心して工事を任せられるでしょう。
自社検査では「業者が自分で自分を評価する」構造になりますが、リフォーム瑕疵保険では中立的な第三者が評価するため、客観性が担保されます。
施工不良で雨漏りや塗膜の剥がれ・ひび割れなどの不具合が起きた際に、保険金で補修工事を行うことができます。
また業者とトラブルになりそうな場合でも、保険法人が介入することで解決がスムーズになるケースもあります。
瑕疵保険に加入するには、業者は事前に保険法人に登録しておく必要があります。登録には財務・実績・品質の審査があるため、加入業者は一定の信頼性が担保されています。
飛び込み営業などで突然現れた業者を選ぶより、登録業者の中から選ぶほうが安心感は高まります。
業者の自社保証+瑕疵保険のダブル保証で、より安心です。保証期間や対象範囲が異なるため、互いに補完し合う形になります。
業者が加入する保険ですが、保険料はお客様(施主)が負担するのが一般的です。外壁塗装の場合は約3〜6万円が相場です。
この費用は工事費に上乗せされる形になるため、見積書に明記されているかどうかを必ず確認しましょう。保険料が見積書に記載されていない場合は、どのように扱われているかを業者に質問することをおすすめします。
外壁・屋根塗装の保証期間は1年間と短めです。
構造耐力上主要な部分:5年間
雨水浸入防止部分:5年間
塗装工事のみ:1年間
一般的に、外壁塗装の不具合は施工直後~数年以内に発症することが多いと言われていますが、1年を過ぎてから症状が出た場合は保険対象外になります。業者独自の自社保証(5~10年)との組み合わせが重要な理由がここにあります。
デメリット③:加入できる業者が限られる
瑕疵保険はすべての塗装業者が加入しているわけではありません。保険法人に登録済みの業者のみが利用可能です。
利用希望の方は、あらかじめ保険法人に登録されている業者をチェックしておく必要があります。
第三者検査が入るため、工期が数日~週間程度長くなる可能性も考えられます。特に繁忙期は検査日程の調整に時間がかかるケースもあるため、工期に余裕を持たせておくことが大切です。
塗装の色ムラ・防音性能・断熱性能は保険対象外です。また、「著しい」と判定されなかった軽微な不具合も対象外となる場合があります。
何が保険対象になるのかを事前に業者や保険法人に確認しておくと、後のトラブルを防げます。
■適用される可能性がある例
・著しいチョーキング現象(早期の白化)
・塗膜の早期剥がれ
・塗膜の亀裂(クラック)
・塗膜の浮きや変形、欠損
・雨水浸入(雨漏り)
・屋根葺き材の著しいずれ、浮き、変形、破損
・排水不良
■対象外
・色ムラ(許容範囲内の場合)
・断熱性能の不足
・防音性能の不足
・経年劣化による不具合
・自然災害(台風、地震等)による損害
・施主側の過失による不具合
・メンテナンス不足が原因の劣化
・施工前から存在していた既存の損傷や欠陥
保険法人によって基準は異なりますが、一般的に下記のように判断されています。
チョーキング:手で触ると白い粉が大量に付く程度
剥がれ:施工後1年以内に明確な剥がれが発生
亀裂:肉眼で明確に確認できるひび割れ
軽微な不具合は対象外になることがあります。判断に迷う場合は、まずは保険法人または業者に写真を送って相談してみましょう。曖昧なまま放置すると、保証期間が終了してしまうリスクがあります。
リフォーム瑕疵保険を活用したい場合、加入業者の選び方も重要です。
5つの保険法人すべてに、登録業者検索機能があります。気になる業者が登録されているか確認してみましょう。
【主な検索サイト】
・JIO 登録事業者検索
公式サイト:https://system.jio-kensa.co.jp/scripts/search/index.asp
・住宅保証機構 登録事業者検索
公式サイト:https://tradsearch.mamoris.jp/
・住宅あんしん保証 登録事業者検索
公式サイト:https://www.j-anshin.co.jp/list_todokede/
・全額業者負担
・全額施主負担
・折半
保険料は施主が支払うのが一般的ですが、業者によっても方針が違うため、契約前に必ず確認をしておきましょう。また、見積書に保険料が明記されているかどうかも重要な確認ポイントです。
リフォーム瑕疵保険の保証期間は短め(1年)なので、業者の自社保証と組み合わせる業者が望ましいです。
自社保証の内容(期間・対象範囲・条件)が書面で明示されているかも確認しましょう。口頭のみの保証は、後日トラブルになるリスクがあるため要注意です。
業者選びの際は以下の点もチェックすることが大切です。
・創業年数や実績
・口コミ、評判
・見積書の透明性(工事内容、材料、単価が明記されているか)
・アフターフォロー体制
・担当者の説明の丁寧さ・対応の速さ
リフォーム瑕疵保険加入だけで判断せず、総合的に評価しましょう。
→ 関連記事:塗装業者の選び方
塗装業者には「自社保証」と「リフォーム瑕疵保険」の2つの保証制度があり、それぞれ性質が違います。
| 自社保証 | リフォーム瑕疵保険 | |
|---|---|---|
| 保証する主体 | 塗装業者 | 保険法人 |
| 業者倒産時 | 保証無効 | 保証有効 |
| 第三者検査 | なし | あり |
| 保証期間 | 5〜10年 | 1〜5年 |
| 追加費用 | なし(標準サービス) | 3〜6万円 |
| 対象範囲 | 業者の判断による | 客観的基準 |
■自社保証のメリット
・追加料金なし
・保証期間が長い(5〜10年)
・業者の責任感が見える
・細かい対応をしてもらいやすい場合もある
■リフォーム瑕疵保険のメリット
・業者倒産時も保証される
・第三者の客観的判断
・保険会社の支払い能力で補償
・保証の範囲・基準が書面で明確
自社保証+リフォーム瑕疵保険のダブル保証が最も安心です。自社保証は長期間・広範囲をカバーし、リフォーム瑕疵保険は業者倒産時のリスクと工事直後の品質を第三者が担保する形になります。
ただし、リフォーム瑕疵保険は保証期間が短いため、ご予算と工事規模に応じて選択することも大切です。
→ 関連記事:保証やアフターフォローの重要性
A. 必須ではありません。ただし、業者の経営状態が不安な場合や、長期保証を確保したい場合には有効です。優良業者の自社保証で十分なケースも多いです。
加入を検討する際は、業者の自社保証内容・工事規模・予算を総合的に判断して決めることをおすすめします。
A. 業者によります。多くの場合、工事費とは別にお客様が負担するため、契約前に「保険料込みか別途か」を確認しておくことが大切です。見積書に保険料の記載がない場合は、詳細を確認するようにしましょう。
A. 確かに短いです。塗装の不具合は施工後1〜3年以内に発症することが多いと言われていますが、1年を過ぎてから症状が出た場合は保険対象外になります。そのため、自社保証との組み合わせを推奨します。
A. 加入には保険法人の審査が必要で、すべての業者が加入できるわけではありません。実績・口コミ・自社保証の内容などをチェックし、信頼できる業者か判断しましょう。
A. はい、第三者検査の日程調整で数日〜1週間程度遅れる場合があります。
特に繁忙期(春・秋)は検査の予約が取りにくくなることも考えられますので、事前に業者に工期スケジュールを確認しておくといいでしょう。
A. リフォーム瑕疵保険の対象外です。
自然災害の場合は火災保険が適用される可能性があります。ただし、火災保険の補償内容(風災・雪災など)は加入プランによって異なるため、加入中の保険内容を事前に確認しておくことが大切です。
A. はい、居住用住宅のリフォームであれば中古住宅でも対象です。倉庫・物置・車庫のみの部分は対象外とされています。
また、店舗兼住宅など用途が混在する建物については、住居部分のみが対象になる場合があります。詳細は保険法人または業者に確認しましょう。
A. 5つの保険法人それぞれの公式サイトで登録業者を検索できます。業者名・会社所在地などで検索が可能なため、商談前に確認することをおすすめします。複数の法人に登録している業者もいます。
A. 原則として、工事開始前に申込みが必要です。
工事が始まった後では申込みを受け付けてもらえない場合があるため、契約時点で保険加入の意思を業者に伝え、手続き状況を確認しておくことが重要です。
A. 保険の加入有無は業者選びの一つの目安に過ぎません。加入業者の中から選ぶのが安心ではありますが、長年の実績・自社保証の充実・口コミ評価が高い未加入業者を選ぶのも一つの選択肢です。
保険の有無だけで判断せず、総合的に比較検討することをおすすめします。
お気軽に
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