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島津 奨
塗装工事は業者によって大きく価格が変わるので、料金相場が掴みにくく、また形がない商品のため、施工が始まってから追加料金が発生するのではないかと不安を抱かれるお客様も少なくありません。
追加料金が発生するケースは3つあり、「施工内容の変更が必要な場合」「施主都合の工事内容の変更がある場合」「悪徳業者の手口」です。
ここでは、そんな塗装工事における追加料金について説明いたします。

「外壁塗装の契約をしたら、後から追加費用を請求された」という相談は国民生活センターでも多い事例です。
このページの結論を先にお伝えします。
・塗装工事は「平米数×単価」で算出するため、基本的に追加費用は発生しない
・追加費用が発生するのは大きく分けて3パターン:
①工事中に「足場を組まないと見えなかった劣化」が発覚した場合
②施主都合で塗料や色を変更・追加工事を依頼する場合
③悪徳業者が契約後に不当に追加請求するケース
・正当な追加費用は工事前に説明があり、書面で内容を確認できる
・「足場代無料」「特別キャンペーン」を強調する業者の追加請求には特に警戒
このページでは、正当な追加と悪徳業者の追加請求を見分ける方法、追加費用を未然に防ぐ予防策、すでに請求された場合の対処法までを詳しく解説します。
外壁・屋根塗装の費用は、以下のシンプルな計算で算出されます。
塗装費用 = 平米数(塗装面積)× 単価
平米数:建物の塗装面積(実測または図面から算出)
単価:塗料や工程ごとの1㎡あたりの費用
この計算式の特徴は、事前の現地調査で「平米数」が確定し、見積もり時に「単価」が決まれば、後から金額が変動することがない点です。
・一度確定した塗装面積は工事中に変わらない
・単価も契約時に確定している
・業者の利益も見積もりに織り込み済み
・諸経費や足場代も見積もりに含まれている
つまり、契約書通りに工事が進めば、追加費用は発生しないのが本来の塗装工事です。
契約後に追加請求が発生するケースは、主に以下のいずれかに該当します。
・事前調査では見えなかった劣化が見つかった(正当な追加)
・施主側からの変更依頼があった(正当な追加)
・業者が意図的に追加請求している(悪徳業者)
それぞれを詳しく見ていきましょう。
当然のことですが、現地調査の段階では足場が組まれていません。したがって、足場が組まれて初めて近くで見ることができる部分というのも存在します。
そういった部分が、現地調査時には予想できないレベルの劣化をしていた場合、修繕するために追加料金がかかる場合があります。
想定される劣化
・2階、3階の高所部分の劣化
・屋根の細部の損傷
・既存塗膜の密着不良
・雨漏りの発覚
・下地の腐食やシロアリ被害
・モルタル外壁の剥離
優良業者であれば、発見した時点で写真・動画で証拠を残したり、お客様に追加工事の必要性・費用を口頭+書面で説明してくれます。また、お客様の承諾を得てから追加工事を実施するのが正しいあり方です。
■外見からは判断できない劣化
外壁の張替え工事に起こり得るケースです。外壁を張り替えるために、外壁をめくってみたところ下地が腐ってた、白蟻に食われていた等のケースが生じた場合も、修繕するために金額の変動が発生してしまいます。
弊社では、こういった場合は御見積の段階で、修繕が必要になってくる可能性があることはお伝えしています。
■雨漏りが発覚した
もちろん、雨漏りも現地調査の段階でチェックはしていますが、足場を組んで全体を見たり、工事が始まった際に予想外の部分から雨漏りしていることが発覚するケースや、施主様自身が雨漏りに気づいていない場合もあります。
塗装工事は、雨漏りの予防には最適ですが、現在起こっている雨漏りに関しては、塗装工事をしたからといって止まることは少ないです。ですので、こういった場合は雨漏り修繕工事のため追加料金がかかることがあります。
■既存の塗料が密着していない
前回施工した塗料が、きちんと密着していないという現象が時々見られます。サイディングの外壁ではあまり見られませんが、モルタルの外壁に見られることが多いです。
塗料が密着しているかどうかは、現地調査の際に壁を打診することによってチェックしています。塗料がきちんと密着している箇所と密着していない箇所では、音が全然違うので基本的には現地調査の段階で分かりますが、足場を組んでみないと届かない箇所もあります。
塗料が密着していない場合は、密着していない部分の塗料を剥がしてからじゃないと施工できません。そのため、『既存の塗料を剥がす』『下地調整をする』という工程が増えてしまい、追加料金が生じてしまうということがあります。
契約後に施主様からの要望として
・塗料のグレードアップ(シリコン→フッ素など)
・色の変更
・当初予定外の付帯部の塗装追加
・ベランダ防水の追加
・外構(塀や門柱)の塗装追加
・追加工事の依頼
というケースの場合も変更に当たり、料金の変動が発生してしまいます。
特に材料発注後の変更は費用が発生しやすく、着工後の変更は工期延長・人件費追加で割高になる可能性もあります。工事中の追加依頼はその場で決めず、冷静に検討するようにしましょう。
児玉塗装の場合はあらかじめ伝えていただければ、多少の小物等であればサービスで施工することも可能ですので、お打ち合わせの段階でご相談ください。
まず悪徳業者の追加請求の共通点として以下の点が挙げられます。
・工事開始後(特に足場設置後)に提案される
・即決を迫る(「今やらないと取り返しがつかない」など)
・書面での説明が不十分
・写真や動画など客観的な証拠を提示しない
お客様が断りにくいタイミングを狙う悪徳業者が使う、契約後の追加請求の典型的な手口を紹介します。
悪徳業者の典型的な見積もりとして、外壁塗装のみを提案してくるケースがあります。このような業者は、工事開始後「せっかく足場があるから屋根も塗りましょう」と言い、追加請求をしようとします。
基本的に外壁塗装と屋根塗装はセットで行うものなので、屋根塗装が含まれていない見積もりは注意が必要です。
たとえお客様が屋根塗装を希望していなかった場合でも、業者は現地調査の際に必要性を判断すべきです。後出しには悪意があります。
見積もり時にシーリング工事を含めず、工事中に「打ち替えが必須」と追加工事を提案するパターンです。
シーリングは事前調査で判断可能ですし、塗装とセットで補修するのが一般的です。そのため、シーリング工事が含まれていない場合、意図的に最初の見積もりから外していると判断できます。
契約後に「このグレードでは持たない」と高額塗料への変更を提案し、契約時に決まった塗料を変更させることで利益を増やそうとする業者も存在します。
仮に悪徳業者ではなかったとしても、見積もりの時点で適切な塗料を判断できない業者は経験・知識がないと判断でき、信頼して施工を任せられません。
お客様からの要望が無い限り、契約後にグレードを変更することはありません。
工事完了時に「廃材処分費が予想以上だった」と言ってきたり、「現場管理費」「特別工事費」など曖昧な理由で追加費用を請求するパターンです。
諸経費は事前に見積もりに含めるべきもので、後出しは不当です。
正当な追加費用と悪徳業者の不当請求は、以下のポイントで見分けられます。
| 項目 | 正当な追加 | 悪徳業者の追加請求 |
|---|---|---|
| タイミング | 発見した時点で速やかに連絡 | 工事が進行してから提案 |
| 証拠の提示 | 写真・動画で状況を共有 | 口頭のみ・写真が曖昧 |
| 必要性の説明 | なぜ必要か丁寧に説明 | 不安を煽る・即決を迫る |
| 見積もりの提示 | 詳細な追加見積書を提示 | 口頭で金額を伝える |
| 検討時間 | お客様の検討時間を確保 | その場での決断を迫る |
| 断る選択肢 | 「やらない」選択肢も提示 | 「やらないと大変なことになる」と強要 |
| 過去の経緯との整合性 | 事前調査で見えなかった理由を説明 | 説明があいまい |
もし追加費用を請求された場合は、以下の見極めポイントを確認してみましょう。
■写真・動画を要求する
→ 劣化箇所を必ず証拠で確認
■詳細な見積書を要求する
→ 「一式」表記の追加請求は警戒
■検討時間を確保する
→ その日に決めない
■第三者の意見を聞く
→ 可能なら他業者にもセカンドオピニオン
■書面で経緯を残す
→ 口頭でのやり取りは避ける
→ 関連記事:外壁・屋根塗装のよくあるトラブル
事前の対策として、追加費用が発生しないように契約前から以下の予防策を取ることも重要です。
見積書作成には丁寧な現地調査が必要です。そのため、30分以上かけて建物全体を細部まで調査する業者を選ぶことが重要なポイントです。
15分程で終わるような雑な調査では、詳しい劣化状況や建材の特性などを把握できず、後に追加費用を請求されるリスクが高まります。
通常の見積書には、各項目の数量・単価が記載されています。「一式◯◯円」というように内訳が記載されていない見積もりは悪徳業者のよくある手口です。
詳細がわからなければ、どのような作業を行うのか、どんな材料を使うのかなどもわからずに、追加工事を提案される可能性も高くなります。
→ 詳細:見積書のチェックポイントとは?
最初の見積もりにシーリング打ち替え・付帯部塗装が含まれているかを確認しましょう。これらの工事は、外壁塗装をセットで行うのが基本です。
もし見積書に含まれていない場合は、意図的に外している可能性が高いため、その業者は信用できないと言えます。
前述したように、外壁塗装と屋根塗装は一緒に行うのが一般的です。そのため、「屋根塗装は必要か」「不要ならなぜか」をあらかじめ聞いておくことが大切です。
後出しで屋根塗装を勧めるのは悪徳の典型です。事前に屋根塗装をしない理由をハッキリと答えられない業者には要注意です。
優良業者であっても、足場設置後に判明した下地の劣化や雨漏りなどが理由で、追加費用が発生するケースはあります。
そこで重要なのが、契約書に「追加費用が発生する場合の条件」を記載してもらうことです。誠実な業者であれば、追加費用が発生する可能性についても隠さずに説明してくれます。
現地調査の際に劣化箇所を写真で記録・共有してもらい、自身でも建物の状態を理解し、見積内容に不足がないか確認しましょう。
もし気になる点があれば業者に質問してみてください。質問に対して明確にわかりやすい言葉で返答してくれるかも重要なポイントです。
説明が曖昧だったり、専門用語ばかりではぐらかすような業者は信頼性に欠けます。
1社の見積もりで決めず、複数社で内容と価格を比較しましょう。
もちろん高額な見積もりを提示してくる業者にも注意が必要ですが、極端に安い業者は追加請求リスクが高いため、金額だけで判断するのは危険です。
「外壁塗装と屋根塗装はセット」という認識が広まっているため、屋根塗装が含まれていない見積もりは要注意ですが、一方で本当に屋根塗装が不要なケースもあります。
例えば、屋根材が日本瓦、洋瓦、パミール、レサスの場合です。パミールやレサスに関しては塗装が不要というより、塗装してはいけない(最適なメンテナンスが塗装ではない)屋根材になります。
その他で、よく太陽光パネルが乗ってる場合は、塗装を行わない場合があるというお話もありますが、素人が取り外した場合不具合が起きる可能性があるためです。
専門の業者に依頼するとなるとその分の費用が発生してしまうので、料金が高くなってしまいます。
弊社では太陽光パネルを、塗料が飛散しても大丈夫なように養生し、太陽光パネルが設置されている部分を除いて施工します。
次の屋根材を使用している場合は塗装は不要です。
日本瓦(粘土瓦):耐久性30〜50年以上で基本塗装不要
洋瓦:日本瓦と同様、塗装不要
磁器タイル屋根:塗装不要
ハイドロテクトタイル(一条工務店):塗装NG
キラテックタイル(パナソニックホームズ):塗装NG
以下の屋根材は塗装が不要というより、塗装してはいけない屋根材になります。これらの屋根材は塗装ではなくカバー工法・葺き替えが必要です。
パミール(ニチハ製、1996〜2008年製造):塗装すると剥がれる
レサス(クボタ製):塗装すると不具合発生
コロニアルNEO(ケイミュー製):劣化が激しい場合は塗装不可
→ 関連記事:塗装してはいけない屋根材”パミール”に注意
太陽光パネルが乗ってる場合は、塗装を行わない場合があるというお話もありますが、これは素人が取り外した場合不具合が起きる可能性があるためです。
専門の業者に依頼するとなるとその分の費用が発生してしまうので、料金が高くなってしまいます。
ただ、まったく屋根塗装をしないというわけではなく、パネルが乗っていない部分のみ塗装するケースも多いです。パネルの下は紫外線・雨風から守られているため、劣化が少ない傾向にもあります。
弊社では太陽光パネルを、塗料が飛散しても大丈夫なように養生し、太陽光パネルが設置されている部分を除いて施工します。
繰り返しにはなりますが、契約後に屋根塗装を提案してくる業者には要注意です。
悪徳業者の手口の一つで、外壁塗装の契約後に屋根塗装の提案をしてくるという手口があります。問題点は以下の通りです。
屋根の施工が必要かどうかは優良な塗装店であれば、現地調査の段階で分かるはずです。
もし意図的に屋根塗装を外していないとしても、そもそも現地調査で状況を判断できないような会社は知識や不足しており、信用に値しないといえるでしょう。
最初から施工が必要なのは分かっていたのに、見積もりに含まなかった可能性があります。
契約後に「せっかく足場を組んだので一緒に屋根塗装もした方がいいですよ」と言われたら、「今度屋根だけ塗装する場合また足場料金が発生すると、確かにそうだよな」と考えてしまうでしょう。
それこそが悪徳業者の狙いです。断りにくくし、通常より高い工事費を請求して話を勧めようとしてきます。
契約前に必ず「屋根塗装が見積もりに含まれていないのはなぜですか?」と聞いてみましょう。
正当な業者の回答例:
「屋根材が日本瓦なので塗装は不要です。漆喰の補修が必要な場合のみ別途お見積もりします」
「太陽光パネルがあるため、塗装は推奨しません。パネルが破損するリスクがあります」
「パミールという塗装してはいけない屋根材です。カバー工法をご提案します」
これらの説明がなく、工事開始後に屋根塗装を追加提案してくる場合は悪徳業者の可能性大です。
A. 契約書にない追加費用は基本的に支払い義務なしです。
ただし、足場設置後に発見された劣化など正当な理由がある場合は協議の上で対応する必要があります。書面・写真で証拠を確認してから判断しましょう。
A. その文言だけでは不十分と言えます。「どんなケースで」「上限はいくらまで」など、詳細が明記されている契約書が望ましいです。曖昧な記載は後でトラブルの種になります。
A. 契約書にない費用は支払い義務がありません。書面・写真などの証拠と契約書を照合して、不当と判断したら断ることができます。
A. 即決せず一度持ち帰って検討しましょう。本当に屋根塗装が必要なら、最初の見積もりに入れているはずです。後出しの提案は警戒すべき手口です。
A. 材料発注前なら無料で変更できることもありますが、発注後・着工後は塗料代の差額や工事のやり直し費用が発生する場合があります。
A. 屋根塗装が不要または部分的な塗装のみになることが多いため、トータルでは安くなる可能性があります。ただしパネル周辺のシーリング補修などで一部費用が発生します。
A. 本当です。日本瓦は耐久性が高く、塗装の必要はありません。ただし漆喰の劣化や瓦のズレ・割れは別途補修が必要です。
A. シロアリ被害は実際に存在しますが、写真・動画で証拠を必ず確認してください。曖昧な説明で高額な防蟻工事を勧めてくる業者には注意しましょう。
・外壁塗装に関しては基本的には追加料金は発生しません。
・やむを得ない場合、施主様都合の工事内容の変更や追加工事がある場合のみ金額が変動します。
・見えなかった部分の劣化具合が工事内容の変更や追加工事に繋がってきます。
・施工内容の変更は、建物を保護するために必要な工事。
・追加料金狙いの悪徳業者がいるため、見積をしっかりと見ることや、他社と比較することが重要。
・屋根には塗装工事が不必要な屋根材がある。
・太陽光パネルは設置していても塗装工事は行える。
お気軽に
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