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島津 奨
外壁塗装は素人目では手抜き工事か否かが判断しにくいため、トラブルの温床となっているのが現実です。
たとえば、本来3回塗らなくてはいけない塗料を2回にすることでコストダウンを図ったり、利益を出すために汚れ落としやサビ止めといった基本的な工程をおざなりにしたりする業者も存在します。
このページでは、塗装工事で発生しやすいトラブル事例・対処法・公的な相談窓口・予防策まで、お客様目線で詳しくお伝えします。トラブルを未然に防ぐためのチェックポイントも整理しました。

外壁塗装は素人目では手抜き工事か否かが判断しにくく、また厄介なことに工事の不備は時間が経過してから初めて発覚することも少なくありません。
塗り直して数か月しか経っていないにもかかわらず、塗装が剥げたり、膨れができたりして発覚するといったケースがほとんどなのです。
外壁・屋根塗装は80〜150万円の高額な工事のため、毎年多くのトラブル相談が国民生活センター・消費生活センターなどに寄せられています。
トラブルが発生する段階は大きく3つに分かれます。
契約前:強引な訪問販売・不安を煽る営業・即決を迫る
工事中:手抜き工事・施工不良・近隣との摩擦・追加請求
工事後:早期の剥がれ・保証対応なし・業者と連絡不能
幸い、事前に「よくあるトラブル」を知っておけば、ほとんどは予防できます。万一トラブルが発生した場合も、適切な対処法と相談窓口を知っていれば被害を最小限に抑えられます。
このページでは、塗装工事で発生しがちなトラブル事例と対処法、公的な相談先までをお伝えします。
【事例】
「近所で工事中の業者です」と突然訪問し、「お宅の屋根が危険な状態」「今すぐ修理しないと雨漏りする」などと不安を煽り、その場での契約を迫る。
【対策】
絶対にその場で契約せず、他社にも調査を依頼して比較・検討する。もし契約をしてしまっても、訪問販売であれば8日以内ならクーリングオフが可能。
【事例】
「キャンペーンは本日まで」「今決めれば50万円引き」と急かされて契約。後で相場の倍近い金額だと判明。
【対策】
本当の優良業者は即決を求めない。即決を迫る業者は、他社と比較されると断られるような悪質な見積もりを提出している証拠。他社の見積もりと比較してから判断をする。
【事例】
無料点検を承諾したら屋根に登り、「ここが破損しているので緊急工事が必要」と言われたが、実は業者が壊した可能性。
【対策】
訪問業者を安易に屋根に登らせない。点検は別の信頼できる業者にもセカンドオピニオンを求める。
【事例】
「他の業者は手抜きが多い」「うちじゃないと危険」と他社批判で自社を売り込む。
【対策】
他社批判をする業者は信頼性に欠ける。自社の魅力で勝負しない業者は要警戒。
→ 関連記事:トラブル急増中!訪問販売の塗装会社には注意
【事例】
「足場代15万円分が無料」とアピールされたが、塗料代や下地補修費が異常に高く、結果的に他社と同額または相場より高い。
【対策】
足場代無料と強調する場合、その分他の項目に費用を上乗せしている可能性があるため、価格構造の透明性を必ず確認。
【事例】
「外壁塗装一式80万円」とだけ書かれており、何を使ってどんな工程をするのかが不明。後で追加請求された。
【対策】
一式表記の見積書を提出する業者は、高額請求や手抜き工事する可能性大。塗料のメーカー名・商品名・グレード・塗布回数・面積が明記された詳細な見積書を要求する。
→ 詳細:見積書のチェックポイントとは?
【事例】「外壁を剥がしたら下地が傷んでいた」と工事中に追加で30万円請求された。
【対策】
実際に、現地調査では調べることができない建材の下の傷みなどについては追加費用がかかるケースがあるが、優良業者は事前調査の段階で腐食の可能性と費用について説明します。事前説明のない追加請求は内容を詳しく確認する必要がある。
【事例】
書面なしで工事開始。後で金額や保証内容で揉めた。
【対策】
必ず書面で契約。口約束は法的根拠が弱くトラブル時に不利になります。
塗装の手抜き工事は素人目には見抜きにくいのが厄介です。よくある手抜き例と対策をご紹介します。
【事例】
契約書には「下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り」と明記されていたが、実際は2回しか塗られていなかった。
【対策】
工程ごとに写真を撮る、または業者に進捗写真を提出してもらう。塗料の使用量(缶数)も契約時に確認。
【事例】
高圧洗浄が15分程度で終わり、下地補修もほぼなし。1年後に塗膜が剥がれた。
【対策】
高圧洗浄は通常4〜8時間かかります。下地補修・ケレン作業の有無は工程表で確認。
【事例】
本来5%希釈の塗料を15%以上水で薄めて使用。塗膜が薄くなり、本来の耐久年数より早く劣化した。
【対策】
希釈は素人には判別ができないため、メーカー指定の塗布量を守る業者かどうかを契約前に確認。
【事例】
契約はシリコン塗料だったが、実際にはアクリル塗料を使われていた。
【対策】
塗料の空き缶を全て見せてもらう。商品名・ロット番号・使用量を写真で記録。
【事例】
完成後に裏側・軒下などにムラ・塗り忘れを発見。優良業者でも稀にあるが、悪質業者だと修正してくれない。
【対策】
完成時に必ず立ち会いで全面チェック。気になる箇所は引き渡し前に伝える。足場解体前に伝えることで修正してもらいやすくなる。
【事例】
高圧洗浄の水が隣の畑の花にかかった。塗料が隣家の駐車中の車に付着。
【対策】
飛散防止メッシュシートと適切な養生を行う業者か確認。万一の場合は業者の保険で対応。
【事例】
早朝から足場組立の金属音が響き、隣家からクレーム。
【対策】
事前の近隣挨拶で工事内容・期間・時間帯を共有する。
→ 詳細:外壁塗装の際に近隣挨拶が必要なワケ
【事例】
油性(溶剤系)塗料の臭いで気分が悪くなった、ペットが体調を崩した。
【対策】
水性塗料への変更を相談。化学物質に敏感な家族・ペットがいる場合は事前に伝える。
【事例】
養生でケーブルや配管を抜かれたまま戻されておらず、給湯器・エアコンが動かない。
【対策】
養生のスケジュールを事前共有してもらい、養生解除後すぐに動作確認。
【事例】
足場設置のために植木鉢を移動された際に転倒し、破損。
【対策】
事前に移動が必要なものをリストアップしてお客様自身で移動。動かす場合は写真を撮って記録。
【事例】
施工後2年で外壁の一部が剥がれてきた。業者に連絡しても「経年劣化です」と対応されない。
【対策】
施工不良の典型例。保証書を確認し、保証期間内なら無償補修を依頼する。応じない場合は公的相談窓口へ。
【事例】
施工後に業者の電話番号が変わっており、不具合の連絡ができない。
【対策】
自社保証だけでなく、リフォーム瑕疵保険・保証会社提携のある業者を選ぶことで予防可能。
施工中は養生ネットで家屋をすっぽり覆ってしまうことが多いので、外から見えにくくなり、泥棒に入られるというケースも少なくないようです。
こうした被害を防ぐために、工事の間は外部から無関係な人間が入ってこないよう注意する、夜間は昇降足場を施錠する、センサーライトをつけるという対策を講じましょう。
また、工事関係者と思っていた人が実は不審者で、近所の家が空き巣に入られた……という話も実際にあります。そのため、事前の挨拶(顔合わせ)も非常に重要となります。
万一トラブルが発生した場合は施工業者に連絡を取りましょう。その際、次の点を意識しておくとスムーズです。
・発見した不具合、写真、日付を整理
・書面(メール等)で残る形で連絡
・保証書の内容と照らして対応を要求
もし話し合いで解決しない場合は、公的な相談窓口を利用してみてください。
・消費者ホットライン「188(いやや)」
・お住まいの消費生活センター
・住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)
相談窓口を利用しても納得のいく解決法が見つからない場合は、法的措置を検討するしかありません。弁護士への相談は費用がかかりますので、まずは法テラスなどの無料相談を活用してみるといいでしょう。
トラブル発生時こそ冷静に証拠(写真・契約書・やり取り記録)を保全することが解決の鍵です。
塗装トラブルで頼れる主な公的相談窓口をまとめました。
■消費者ホットライン
電話番号:188(いやや)
特徴:お住まいの消費生活センターに直接つながる
公式サイト:https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
■東海エリアの消費生活センター
愛知県消費生活総合センター:052-962-0999
名古屋市消費生活センター:052-222-9690
岐阜県消費生活相談窓口:058-272-1999
三重県消費生活センター:059-228-2212
■住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)
電話番号:03-3556-5147
特徴:国土交通大臣指定の相談窓口。建築士の資格を持つ専門家が対応
公式サイト:https://www.chord.or.jp/
■国民生活センター
特徴:過去のトラブル事例・類似ケースの検索が可能
公式サイト:https://www.kokusen.go.jp/
■法テラス(日本司法支援センター)
電話番号:0570-078374(おなやみなし)
特徴:収入要件を満たせば弁護士無料相談・費用立替
公式サイト:https://www.houterasu.or.jp/
トラブルが起きてから対応するより、未然に防ぐほうが圧倒的に労力もコストも少なくて済みます。
① 訪問販売の即決契約を避ける
→ 突然訪問してきた業者と当日中に契約しない。最低でも1週間の検討期間を取る。
② 必ず2〜3社で相見積もりを取る
→ 1社だけでは適正価格か判断できない。複数社から見積もりを取り、比較材料を必ず確保する。
③ 詳細な見積書を要求する
→ 塗料のメーカー・グレード、工程、面積、足場費用などが明記されたものを提示してもらう。
④ 契約書・保証書を書面で受け取る
→ 口約束は無効と心得る。書面で残らないものは無いものとして判断。
⑤ 工事中の写真記録を残す
→ 工程ごとに写真を撮る、または業者から提出してもらう。証拠の保全。
⑥ 塗料の空き缶・容器を見せてもらう
→ 契約通りの塗料が使われているか自分の目で確認。
⑦ 自社施工の塗装専門店を選ぶ
→ 中間マージンなしの適正価格、責任の所在が明確、対応も迅速な業者を見極める。 → 詳細:失敗しない塗装業者の選び方
お客様側も適切な判断を下すためにも、外壁塗装に関して最低限の知識を持つことをおすすめします。
例えば「溶剤系の方が水溶系塗料よりも価格は高いが、耐久性に優れている」「外壁塗装は3回塗りが基本」などについては事前に予習しておきましょう。
また、一軒の家の塗り替えを下地から丁寧に行うには、2週間程度は必要です。塗装職人が何日間来るのかも確認すべき点と言えます。
昨今では、インターネットの普及により、お客様ご自身でも調べればある程度の知識は身につけれると思います。ですが「インターネットに書いてあることが全てではない」というのもまた事実です。
間違った内容が書いてあることもありますので、自分で調べた内容と業者の説明に矛盾する点があった場合は、この業者は間違っている!と見限るのではなく、ちゃんと尋ねてみといいでしょう。
外壁塗装でトラブルに発展するケースは多いですが、自分の心構えひとつでそのリスクを減らすことは十分にできます。
自分の家(建物)は自分で守る。そんな気持ちで施工業者と接してみてください。
A. まずは施工業者に直接連絡して対応を要求してください。応じない場合は、消費者ホットライン188で地域の消費生活センターに繋いでもらえます。
A. 普通ではありません。書面の保証書は塗装業界では標準です。発行を渋る業者は信頼性に欠ける可能性があるため、再度要求するか、必要に応じて消費生活センターに相談をしてみましょう。
A. 訪問販売の場合は、契約日から8日以内ならクーリングオフが可能です。書面(はがき・内容証明)またはメール・FAXで通知すれば無条件で解約できます。
→ 詳細:クーリングオフの手続き。訪問販売との契約も解除できます!
A. 施工不良の典型例です。保証期間内であれば無償補修を要求できます。業者が対応しない場合は、消費者センターや住まいるダイヤルに相談してみてください。
A. 基本的に施工業者の責任です。施主が直接謝罪する必要はありませんが、その後の関係を考えて一言お声がけするのは良いでしょう。実害(破損・汚損)があれば業者の保険で弁償されます。
A. 倒産・夜逃げの可能性があります。リフォーム瑕疵保険に加入していれば補修費用が補償されます。加入していない場合は弁護士・法テラスに相談してみてください。
A. 空き缶を見せてもらい、契約書に記載の使用予定量と比較してください。塗料缶には製品名・容量が記載されているため、数を数えれば正確に確認できます。
A. 書面で進捗共有を要求しましょう。それでも応じない場合は、業者の姿勢に問題がある可能性があります。今後の対応に注意し、必要であれば工事の一時停止も検討しましょう。
A. 訪問販売なら8日以内のクーリングオフが可能です。それ以外の場合は契約書の解約条項に従いますが、内容によっては違約金が発生することもあります。事前に消費生活センターに相談をしておくといいでしょう。
A. ①契約書・見積書・保証書 ②工事中の写真・動画 ③業者とのメール・LINEのやり取り ④電話の通話記録 ⑤近隣からのクレーム内容などを日付付きで保管しましょう。
お気軽に
満足度93.2%!