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中村 秀彦
ハウスメーカーの10年点検、15年点検の際に塗装工事によるメンテナンスが必要と言われる機会も多いと思います。
そのような時、会社の規模も大きく安心感のあるハウスメーカーに直接依頼される方や、メーカーの金額が高すぎるという理由で、他の工務店さんや弊社の様な塗装専門店に依頼される方など、お客様によって選択は異なってくるかと思います。
今回はハウスメーカーで建てた家の塗装について、メーカー別の外壁材の特徴や塗装時の注意点まで詳しく解説します。
「家を建ててもらったハウスメーカーに塗装も頼むべきか、別の塗装業者でもいいのか」とお悩みの方は多いと思います。
結論からお伝えします。
・ほとんどのハウスメーカー住宅は、塗装専門店でも問題なく施工可能
・ハウスメーカーで直接頼むと相場の1.3〜1.5倍になることが多い
・ただし、メーカー独自の外壁材には専用塗料・下塗りが必要なケースがある
・建物の保証期間中は、保証条件への影響を必ず確認
つまり、「ハウスメーカー独自の外壁材に対応できる塗装専門店」を選ぶことが、品質と費用のバランスが取れた選択になります。
ハウスメーカー直接依頼と塗装専門店の比較、主要ハウスメーカー(積水ハウス・ヘーベルハウス・住友林業・大和ハウス・一条工務店・パナソニックホームズなど)の外壁材にご紹介いたします。
ハウスメーカーで家を建てた方が塗り替え時期を迎えたとき、選択肢は大きく2つあります。
家を建てた会社や購入した会社であれば、建物に関する履歴が残っているので安心感が強かったり、後の雨漏り等の保障面に関しても安心していただけるかと思います。
しかし、ハウスメーカーや工務店の場合は、塗料選択の幅が狭くなってしまうデメリットもあるので注意が必要です。
ハウスメーカーや工務店の場合、「OEM塗料」と呼ばれる大手塗料メーカーの材料を自社ブランド化して販売しているケースが多いです。
そのような事情から、ハウスメーカーや工務店に依頼をするとOEM塗料の提案ばかりになってしまい、選べる塗料の数が少なくなるという欠点があります。
【メリット】
・建物履歴・図面が残っており安心感がある
・メーカー専用塗料や部材が使える
・ハウスメーカーの保証が継続される
・雨漏り保証など建物全体の保証維持に有利
【デメリット】
・価格が割高(相場の1.3〜1.5倍)
・塗料選択肢が限定的
・実際の施工は下請け業者
・細かい要望が伝わりにくい
一方、塗装店は塗装工事専門として営業しているので、塗料メーカーとの取引も幅広くございます。
そのため、断熱性能の改善やその他の性能にも特化した塗料等、あらゆる製品の中から塗料を選ぶことが可能になります。ただ塗装するだけでなく、お客様のニーズに合った施工を行えます。
塗料選びは、塗装工事において非常に重要なポイントとなりますので、塗装を検討している場合は、ぜひ一度弊社にご相談いただければと思います。お客様のご希望にあった塗料やプランをご提示いたします。
【メリット】
・中間マージンなしで適正価格
・塗料の選択肢が広い
・直接やり取りで要望が伝わりやすい
・同じ料金で高グレード塗料が選べる
・細やかなアフターフォロー
【デメリット】
・メーカー保証の一部条件が変わる可能性
・メーカー独自の外壁材は専門業者を選ぶ必要
| こんな方は… | おすすめ |
|---|---|
| 予算を抑えたい | 塗装専門店 |
| メーカー保証期間内(10年以内など) | ハウスメーカー or メーカー対応の専門店 |
| 高品質塗料を選びたい | 塗装専門店 |
| メーカー独自の特殊外壁材(タイル、陶板など) | メーカー or 専門業者 |
| 地域密着でアフターフォロー重視 | 塗装専門店 |
「ハウスメーカー独自の外壁材に対応経験がある塗装専門店」を選べば、両方のメリットを得ることができるでしょう。
→ 関連記事:失敗しない塗装業者の選び方
ハウスメーカー経由で塗装を依頼すると、塗装専門店より1.3〜1.5倍ほど割高になります。その理由は3つあります。
ハウスメーカーは塗装を下請け業者に外注します。そのため、お客様が支払う金額のうち、20〜30%が中間マージンとして差し引かれ、実際の施工費用は減ります。
お客様支払い150万円
↓
ハウスメーカー利益+運営費(30万円〜45万円)
↓
下請け塗装業者へ施工費(105万円〜120万円)
前述したように、ハウスメーカーは大手塗料メーカーの塗料を自社ブランド化(OEM塗料)して販売するケースが多いです。
中身は一般的な塗料と同じで、パッケージとブランド名が違うだけですが、自社ブランドとして売り出して価格を高めに設定していることがほとんどです。
そのため、同じ品質の塗料を、相場より1.2〜1.4倍の価格で買う形になります。
ハウスメーカーは大規模なテレビCM・展示場・営業組織を持っています。これらの広告費・営業費が塗装料金に上乗せされます。
「ブランド料」を払う価値があると感じる方はハウスメーカーに依頼するのがオススメですが、コストパフォーマンス重視の場合は塗装専門店が圧倒的に有利です。
積水ハウスは外壁材が多様で、家のシリーズによって塗装方法が大きく異なるメーカーです。
塗り替えをする際は、対応経験のある塗装専門店または積水ハウスに依頼するのがベストです。初めての業者では失敗リスクが高いため、施工事例を必ず確認しましょう。
■ダインコンクリート
・鉄骨系シリーズ「イズ・ステージ」などに採用
・熱や酸素などに対する劣化に強い
・重厚感のある凹凸デザイン、石材調が特徴
■SHウォール(セラミックウォール)
・セラミックを主成分とする外壁材
・軽量で高耐久
■エコルデックウォール
・比較的新しい外壁材
・軽量、高耐久、デザイン性の高さ
■ベルバーン(陶板)
・「シャーウッド」シリーズに採用
・陶器なので基本的に塗装不要
■シャーウッドのサイディング
・木造シリーズ用の外壁材
・一般的なサイディング対応
■専用下塗り材が必要
ダインコンクリート・SHウォールには、専用下塗り材・丁寧な下地処理が必要。
■目地のガスケット
従来のシーリングではなくガスケット(パッキンにようなゴム状の目地材)を使用。ガスケット撤去後コーキングへの打ち替えが必要。
■多彩模様の再現
石材調・凹凸感を活かす多彩模様塗装の技術が必要。仕上がりは業者の技術力・経験に左右される。
■ベルバーンは塗装NG
陶板は塗装すると風合いが損なわれる。積水ハウスの独自保証に影響する場合があるため、施工前にメーカーへ確認する必要がある。
ヘーベルハウスはALC(軽量気泡コンクリート)パネル「ヘーベル板」を全棟で採用している点が大きな特徴です。
また「ロングライフプログラム」というメンテナンスサポートを提供しているため、メンテナンスをヘーベルハウスに依頼する場合と塗装業者に依頼する場合の保証内容と工事費用をしっかりと比較することが大切です。
・軽量で耐震性が高い
・断熱性に優れる
・耐火性が高い
・多孔質で吸水性が高い
■ALC専用下塗り材(含浸シーラー)を使用
多孔質で水を吸いやすいため、専用の下塗り材を使用して下地を整えることが重要。必要に応じて複数回下塗りを行う。
■目地シーリングの徹底
パネル数に伴ってシーリング箇所も多くなり、シーリングが劣化している場合は補修が必須。
■弾性塗料は避ける
透湿性が低い弾性塗料を使うと、ALC内部に湿気が溜まりやすくなる。
■定期的な塗り替えは必要
ヘーベル板自体は60年耐久と言われているが、定期的なメンテナンスは必要。一般的なALCの塗り替え周期は10~15年。
大和ハウスは「ジーヴォ(xevo)」「xevoΣ」シリーズで知られる大手ハウスメーカーです。
大和ハウスは長期保証制度を提供していますが、他社でメンテナンスを行うと保証条件に影響する可能性があります。そのため、事前に大和ハウスへ保証条件を確認しておくと安心です。
■DCウォール、ダインコンクリート
・鉄骨系シリーズに採用
・セメント系の重厚な外壁材
■外張り断熱サイディング
・木造系、鉄骨系の一部シリーズ
・外張り断熱の通気層が外壁と建物本体の間にある
■一般的なサイディング
・ジーヴォシリーズ標準仕様
・窯業系サイディング
■外張り断熱の通気層を塞がない
外張り断熱住宅では壁内の湿気を排出する通気層の確保が重要。施工時に通気経路を塞ぐと壁内結露や断熱性能低下の原因となるため、構造を理解した業者に依頼する必要がある。
■KIRARI+(光触媒コーティング)仕様の有無
外壁に光触媒コーティング「KIRARI+」が採用されている場合、再塗装時には難付着対応の下塗り材や適切な施工方法が必要。
■重厚な外壁材の補修
DXウォールなどの重厚な意匠外壁は、クラック補修後の補修跡が目立ちやすい傾向がある。既存の意匠や模様を再現する技術も重要。
■ジーヴォシリーズの色再現
意匠性の高い外壁材が採用されているため、再塗装時は既存の色合いや質感との調和を考慮した色選定が必要。
住友林業は木造住宅を主力とし、独自のBF(ビッグフレーム)構法を採用しています。また、オリジナル外壁や高耐久外装仕様を採用している住宅が多いのが特徴です。
住友林業で採用されているシーサンドコートやSODOは、吹付けならではの質感が特徴です。塗り替えの際に既存の風合いを維持したい場合は、吹付け仕上げや意匠復元工法の施工実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。
■シーサンドコート
・住友林業の代表的な外壁材
・吹付け石目調の独自仕上げ
・海の砂と石を配合した質感が特徴
■シーラスストン
・高級感のある石目調仕上げ
・シーサンドコートより重厚
■一般的なサイディング・木質系外壁
・木造系で多様な選択肢
■吹付け仕上げの再現が課題
シーサンドコート特有の凹凸・石目調を維持するには多彩模様塗料の検討が必要。
■吹付け技術が必要
既存の風合いや意匠をできるだけ維持したい場合は、吹付け仕上げや意匠復元工法の施工経験が重要。
■質感を残すか、刷新するか
木質感を活かした外観デザインのため、軒天や木質部材の素材に応じた塗装仕様を選ぶ。単色塗りつぶしも可能だが、既存の風合いは失われる。
一条工務店の住宅はハイドロテクトタイル採用率が高く、外壁材そのものの塗り替えが必要になるケースは多くありません。ただし、目地シーリングや付帯部は定期的な点検・メンテナンスが必要です。
・TOTOが開発した光触媒タイル
・セルフクリーニング機能(雨で汚れが流れ落ちる)
・抗菌、防汚効果
・基本的にメンテナンスフリー
■タイル自体は塗装不要
塗装によって本来のセルフクリーニング性能を損なう可能性があるため、施工前に外壁仕様を十分確認することが重要。
■目地のメンテナンスは必要
タイル本体は高耐久だが、目地シーリングは定期的な点検が必要。状態により30年前後で打ち替えを検討。
■タイルの破損・剥離補修
欠けたタイル・浮きタイルは部分補修が必要。
■付帯部の塗装
タイル以外の軒天や破風板などの付帯部は経年劣化するため、定期的な塗装メンテナンスが必要。
■太陽光パネルとの併設
一条工務店は太陽光パネル搭載が多いため、屋根材・パネル周囲のメンテナンスに注意。太陽光設備に配慮した施工経験のある業者を選ぶと安心。
パナソニックホームズ(旧パナホーム)は「キラテックタイル」を採用した家が多いのが特徴です。
・パナソニック独自の光触媒タイル
・セルフクリーニング機能
・高耐久、高意匠
・基本的にメンテナンスフリー
■キラテックタイルは塗装NG
通常はタイル本体への塗装は不要。塗装によってセルフクリーニング機能が発揮されなくなる可能性がある。
■目地のシーリング打ち替え
キラテックタイル本体は高耐久だが、シーリング材は経年劣化するため、定期的な点検と補修が必要。
■タイルの破損・剥離補修
欠けたタイル・浮きタイルは部分補修が必要。
■付帯部の塗装
タイル以外の軒天や破風板などの付帯部は経年劣化するため、定期的な塗装メンテナンスが必要。
・モルタル、吹付外壁、サイディングの仕様確認
・クラック補修と意匠再現が重要
・PWHS採用住宅は仕様確認が必要
・磁器タイル外壁は基本的に塗装不要
・シーリングや付帯部が主なメンテナンス対象
・タイルの浮きや剥離点検を行う
・PALCは吸水性を考慮した下塗りが必要
・シーラインスタッコは意匠保持に配慮
・木造、鉄骨で仕様確認が必要
・鉄骨ラーメン構造の外壁仕様を確認
・タイル外壁は塗装不要
・サイディング外壁は通常塗装可能
・一般的な窯業系サイディングが中心
・標準的な塗装仕様で対応可能
・外壁材の品番確認を推奨
・一般的な窯業系サイディングが中心
・採用外壁材の品番確認が重要
・難付着サイディングの有無を確認
ハウスメーカーの家を塗装専門店に依頼する場合、以下の点を必ず確認しましょう。
■対象ハウスメーカーの施工実績
→ 「積水ハウスの施工事例ありますか?」と具体的に確認。写真付きの実例を見せてもらえると安心。
■外壁材の専門知識
→ ダインコンクリート、ヘーベル板、シーサンドコートなどメーカー独自の外壁材を理解し対応できる業者か確認。
■吹付け施工の対応可否
→ シーサンドコートなど吹付け仕上げの場合、吹付け施工の技術と設備を持つ業者を選ぶ。
■保証・アフターフォロー
→ メーカー保証への影響範囲、独自の保証期間・内容を確認。
■メーカー保証への影響を事前確認
→ 新築から10年以内の場合、他社で施工を行うとハウスメーカー独自の保証へ影響が出る可能性が高い。事前にメーカーに問い合わせ。
A. 建物履歴の把握や保証維持の観点ではメリットがありますが、価格は1.3〜1.5倍になります。築10年を超える家であれば、メーカー独自の外壁材に対応できる塗装専門店のほうがコストパフォーマンスは高い場合が多いです。
A. メーカー・契約内容により異なります。構造体・防水保証はそのままのケースが多いですが、外装塗装の保証はメーカー以外の業者で施工した時点で切れることがあります。事前にメーカーに確認をしておくことが重要です。
A. 必ずしも落ちるわけではありません。OEM塗料(中身は大手メーカーの一般塗料)を使っているケースが多いため、塗装専門店でも同等以上の塗料を使えます。
A. ダインコンクリート対応の施工実績がある業者であれば可能です。専用下塗りやガスケット目地への対応経験が重要です。事例を必ず確認しましょう。
A. はい、ALC専用下塗り材の使用と吸水量に応じた施工調整が必要です。一般的なサイディング塗装と同じ方法では密着不良や早期剥離の原因になります。
A. 基本的に塗装してはいけません。光触媒機能が失われ、保証も無効になります。タイルの目地補修・付帯部塗装・屋根メンテナンスのみ依頼するのが適切です。
A. 新築時の仕様書・パンフレット・図面を確認するのが確実です。残っていない場合は、塗装専門店の現地調査で外壁材を判別してもらいましょう。
A. 塗装専門店であれば、フッ素塗料・無機塗料・遮熱塗料など豊富な選択肢があります。ハウスメーカーは自社OEM塗料中心のため、塗料選びの幅は専門店のほうが広いです。
A. 児玉塗装でも積水ハウス・ヘーベルハウス・住友林業・大和ハウスなど、数多くのハウスメーカー住宅の塗装実績があります。お気軽にご相談ください。
お気軽に
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